近鉄がシカと戦っていたらしい。
夕方のワイドショーを見ていたら、近鉄がシカとの長年の戦いに決着をつけそうだという内容が放送されていました。
関西に住む人、特に奈良、京都の人はお世話になっている近鉄こと近畿鉄道。
私もたまにお世話になっております。
確かに奈良は、奈良公園のおかげでシカのイメージ強いですけど、近鉄が彼らと戦っていたなんて知らなかった。
面白かったのでまとめておきます。
鉄道会社を悩ませる野生動物との接触事故
東京のような大都会から出たことがない人には想像できないかもしれませんが、山間を抜ける鉄道は野生動物との接触が多いのです。近鉄も大阪線は三重方面へ入ると本当に山奥で、ホームに降りても森しか見えない駅があったりします。そりゃあ野生動物も沢山いますよ。シカだけじゃなくて、クマにイノシシ、タヌキ…車の接触事故もよく耳にします。
ともかく、くだんのシカは夜行性で、夜になると線路のあたりをウロウロするみたいですね。近鉄ではなんでも年間300件の接触事故があったとか。
一度接触すると点検等々で10分程の遅延が発生します。点検する担当者も切ないでしょうね…
本当に悩みの種だったのですが、なんと秘密兵器の登場で、5月以降無事故らしいのです。
近鉄がシカの生態を調べてみたら
シカ達は闇雲に動いているのではなく、毎晩必ず同じルートを通ることを発見。どうやら線路を横切って、沢へ水を飲みに行くようだということが分かりました。つまり、彼らの生活導線上に線路が通っていたんです。
シカが通るなら踏切を作ればいいじゃない
と、担当者は閃きました。
まずは通り道以外からシカが侵入して、バラけてしまわないように、通り道を残してまわりにフェンスを立てる。そして通り道の線路の脇にユーソニックという音波発生器を設置しました。
ユーソニックは様々な害獣対策に利用されている鳥獣撃退装置です。
電車が通るときに、ユーソニックで不快音を発生させれば、シカ達は近寄ることができません。反対に電車が通らないときには音を止めれば彼らが通ることができます。
これで踏切の完成です。
一筋の光明が見えたと担当者
今までの対策でなかなかいい結果がでなかったようで、今回の対策の成功はとても嬉しかったご様子。
野生動物を排除するのではなく、どう共存するかに目を向けたとても素晴らしい対策だと思います。番組でも触れていましたが、私たち人間が後から彼らの土地に踏み込んだ訳ですからね。
これからも無事故であって欲しいと心から思います。