ブラック企業でバイトした思い出を語ってみます。
専門学校時代、所謂ブラック企業が経営する居酒屋でバイトをしていたことがあります。
15年位前の話です。
今もブラック企業の報道があるたびに、その時の愉快な体験が思いだされます。
その思い出話をちょっと綴ってみましょう。
- 私がバイトしていた居酒屋について。
- 社員さんは週80時間以上が当たり前。
- 貰えない給与明細。勝手に下がる時給。
- あ、タイムカード、切っといたよ。
- 調理場で血を吐く店長さん。
- 置き手紙を残して失踪する店長さん。
- モラハラを繰り返す幹部さん。
- 2年半で出会った店長は12人。
- 今日はお祭りだぞ〜!連続29時間労働。
- やば、販促チラシ残ってた!深夜2時のポスティング。
- バイト同士が醤油差しで殴り合い。
- 金曜日ピーク時に、キッチン一人、ホール一人の荒行。
- 高熱?ウォッカで風邪薬飲めばいいよ。
- 学業よりもアルバイト会議(無給)を優先させよ!
- シフト希望表を自分の都合で書くな!
- Gはチャッカマンで焼け。
- ちょっくら入金行ってきて。
- 就職以外、円満退職は認めない。
- おわりに。
私がバイトしていた居酒屋について。
過去に飲食店業界では別格と言われたこともある、超ブラック企業経営の居酒屋チェーンです。「わ」からは始まりませんので念のため。
駅前にはだいたいありますね。
社員さんは週80時間以上が当たり前。
時間になったので、店長に挨拶して上がろうとしたら、当人が見当たりません。
探した結果、真っ暗な個室で大の字で寝ていました。とってもお疲れのご様子。
営業時間は17時〜翌5時。店長さんを始め社員さんはそれよりも2時間ほど早く出勤して、帰りは遅くなると朝7時頃。それが週6でありました。バイトの休みがかなさると、たった1日の休みも無給で出勤してました。そりゃ個室で寝ますね。
ちなみに私の労働時間は、それに遠く及ばない60時間です。
貰えない給与明細。勝手に下がる時給。
給与明細は数回しかもらったことがありません。私だけではありません。退職間際に聞いた話だと、時給を勝手に変更しているから隠していたとのこと。
あ、タイムカード、切っといたよ。
残業を終えて帰ろうとするとよく聞くセリフです。定時になるとバイト全員のタイムカードを店長が切ってくれてました。
コストカットに積極的な店長さんだと、切ってから働いてと指示する人もいました。
調理場で血を吐く店長さん。
かろう こわい
置き手紙を残して失踪する店長さん。
店の締め作業後、置き手紙をしたため、次から出勤しないからと言い残して去っていた店長さん。過酷すぎて家族とすれ違いが発生し、奥さんと子どもが出て行って、ようやく目が覚めたと言っていました。
モラハラを繰り返す幹部さん。
バカ、無能、女が腐った奴など、気に入らないバイトの悪口を他のバイトに言うエリア幹部さん。わざと女性バイトを選び、「あいつは女が腐った奴」といって反応をニヤニヤ楽しむ困った人でした。
2年半で出会った店長は12人。
メニューより入れ代わりが激しい店長さん。半分くらいは退職して新しい世界へ。おめでとう。
今日はお祭りだぞ〜!連続29時間労働。
年に2回くらいあるメニュー変更。
その度に通常業務プラスチラシ配りプラスポスティングデーがありました。店長さんとバイト1人で行います。
17時〜翌5時までの通し業務のあと、出勤のサラリーマンを狙って8時くらいからチラシ配り。休憩を挟みながら昼から住宅街まで歩いて行って、開店時間までポスティング。
そのあと22時まで働いて、やっと帰宅の途につけるといったなんともハードなお祭りです。いやぁ、若いっていいな。
やば、販促チラシ残ってた!深夜2時のポスティング。
チラシが残っていると幹部にお叱りを受けます。たとえ夜中でもポスティング。男女平等、女性でも深夜の繁華街を徘徊させます。
バイト同士が醤油差しで殴り合い。
こんなバイト先ですから、集まる人残る人の中にはちょっとアレな人もいます。いきなりバイト同士で殴り合いが始まることもありました。
1番強烈だったのが、おっさんアルバイトと女子大生アルバイトの一戦。おっさんが先に殴りかかり、女子大生アルバイトが醤油差しで応戦するという、なかなか見ごたえがあるバトルでした。先に手を出したおっさんが店長さんに厨房に引きずりこまれ、ひとしきりボコられたあとその場でクビになっていました。
決して女子大生だからおっさんが悪者になったわけではありませんよ。
金曜日ピーク時に、キッチン一人、ホール一人の荒行。
全然回りません。あまりにあまりすぎて、お客様から同情をいただきました。店長さんは怒られていました。女性は得ですね!
高熱?ウォッカで風邪薬飲めばいいよ。
ロシア人じゃあるまいし。
よほどの具合でもない限り、休むことは許されません。とりあえず出勤して具合を確かめられます。休めたのは喉頭炎で声が出なくなった時だけです。その時も声が出ないと筆談しているのに、ホールにだされました。しばらくして声が出ないのか?帰れ!といわれました。
学業よりもアルバイト会議(無給)を優先させよ!
12月など宴会シーズンになると開催される時間外会議。強要して止めたバイトが多数いるのに、毎回強要。なぜ学習しないの?
シフト希望表を自分の都合で書くな!
自分の思った通りの希望が出ないと怒る店長さん。希望表とは一体…
Gはチャッカマンで焼け。
雑居ビルなのでよく出ました。女子にはたまらない要求です。
ちょっくら入金行ってきて。
売り上げは多い時には数十万。それを銀行の時間外金庫に入れに行きます。明け方とはいえ女ひとりで行かせる勇気。さすがです。
就職以外、円満退職は認めない。
学生が退職を申し出ると店長さんから聞ける言葉。どうしてもというなら、未払いの給料は払いませんよ。店に迷惑かけるのだから当然でしょ、という謎主張。
私?氷河期でしたが運よく1社で就活は終わり。無事円満退職でした。
店長さんは就職浪人すると思っていたらしく複雑な顔。
まあ週60時間働いてたらねぇ。一体いつ、就活してたんだよって不思議だったんでしょうね。
おわりに。
当時はインターネット黎明期で今程情報は集まりませんでした。バイト先がブラック企業だったと知ったのは大分たってからです。それに成人していたとはいえ、また子どもだったのでしょね。
こんな環境でもヤバいとは思わず、そんなもんかと働いてました。お仕事大好き人間です。
お給料は大学新卒位の金額をもらっていました。それもがんばれた一因でしょう。
体を壊さなかったのは運が良かったです。
お陰で今思い出話になってますからね。
ま、皆様はくれぐれもお気をつけください。